2008年3月6日木曜日

3/5「勝間和代&山田真哉“お金”トークショー」まとめ

昨日は「勝間和代&山田真哉“お金”トークショー」に行ってきた。普段から講演会などには盛んに行く人間だが講演まとめ記事などは書いたことがない。公開して良いのかどうか分からないのと、時間的に会場での手書きメモを再構成する時間がないためだ。


今回公開しようと思った理由は二つ。


当日勝間さんからブログに感想を書くようにと宿題が出たこと(笑)に反応してmixi上に超簡素な日記を書いたら、勝間さん本人のコメントが来たこと。
会場の300人の座席に対して1750名の応募があり、来れない方が多数いられたこと。


である。
僕の意見をまとめて再構成するとたぶん人によっては全然面白くないと思うので、メモとった内容をそのままダラダラと写そうと思う。文才もないのでそのままになると思うが、色がついていない状態で提示できるのが多くの方にとってベストだと思う。なお、当然僕のフィルタはかかってしまうので、勝間さんのサイトでのリンク先などを辿って検証して頂ければと思う。3/19日の日経新聞(夕刊かな?)の記事にもなるということです。


当日は19時開始で60分のフリートークの後、10分間の休憩、その間に会場から質問を回収し50分間で答えるという形でした。実際は質疑応答を延長して頂いて60分の質疑応答となりました。


3/5 新書ア・ラ・カルチャー委員会スペシャルセミナー
「勝間和代&山田真哉“お金”トークショー」
時事通信ホール 19:00〜


第一部:フリートーク 勝間和代&山田真哉


■はじめに


二人の著書を読んだことがあるかどうかを会場に質問、どちらか一方を読んだことがある人が大半。
勝間:今日一つ目の宿題は読んでない方の本を休憩時間に買って帰ることです。(会場笑)


トークショーの内容
1:本の作成秘話、裏話
2:金融・会計の話
3:金融・会計に限らずの智慧


■本の作成秘話、裏話


○勝間和代著『お金は銀行に預けるな』


タイトルは仕事のし過ぎで入院していた編集者が3日間タイトルだけ考え続けて最後に出てきたもの。このタイトルでなかったら売れなかったかも。
光文社新書は案が500から600ある中で月間4冊が出される。勝間さんは著作が1冊しかない時代に光文社に持ち来んで書籍化が実現、『さおだけ屋〜』の横に並べて売りたくて光文社に持ちこんだ。有名でもない頃に良く通ったなと思った。


本日2つ目の宿題


勝間:皆さん今日のこのイベントの感想を3行でも良いのでブログに書き込んでください。私のブログでリンクを張りますから。そうすればこの場だけでなく、帰宅した後も効果が続きます。1400人の来れなかった方へのシェアにもなります。ブログを持っていない人はブログを作ってください!
やはりこういう話というのは色々な捉え方をされたりするのですが、多くの人の感想を読むと自分が間違っているのか相手が間違って解釈しているのかがわかります。


○本を読みましょう!


ブログを持っている方→会場の2割ぐらい
mixi入れてネット上に書き込む物を持っている方→5割ぐらい
山田:mixi凄いんですねー
勝間:今日は総務省の文化会の構成員なので行ってきたのですが(山田:おー、構成員w)mixi社長の笠原さんがいらっしゃって、mixi1300万人らしいですよ。で、アクティブ率が58%、月間利用時間が2時間30分。インターネットの一日の利用比率って20分ぐらいですから、ネットの利用時間の半分ぐらいmixiをしている人がいる計算になりますね。
皆さんネットをして何を減らすのかというとテレビと読書を減らすんですねー。人間一日5時間ぐらい何かを見ているものです。私が言いたいのは「みなさん、本を読んでください」ということです。本は手間ひまかけた割に一番売れてないメディア何ですよ。山田さんも多くの時間を著作に使ったでしょう?
山田:僕、本書いたことで2年ぐらい寿命縮みましたよ(笑)


○山田真哉著『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』


山田:著作の連作だと「基本と応用」「上と下に内容を分ける」とかなるんですが、「表と裏」にしようと思いました。「さおだけ屋〜」でタイトルの伝播力は凄いと思ったので、今回はコンセプトとして、上下でタイトルをひっくり返そうという思いが最初からありました。
このタイトルって現代アートなんですよ。タイトルで真逆のことを表すのが現代を表しているつもりで、このタイトルを付けました。


■金融・会計の話


○山田さんは会計の専門家、勝間さんは金融の専門家


会計:扱う物がもの凄い過去、過去の数字を集めて本来なら存在しないはずの利益を表す
金融:未来、実際には数えられない実物、金利(時間変数)がある


山田:売り上げと費用は存在するんですが、利益って実は存在しないんですよ。存在していないから粉飾とかが起こるんですね。
勝間:大会社だと20通りぐらいの決算書を作るっていうんですね。それで必要に応じて1つに絞るんですよ。


○ここ10年とそれ以前は資本主義が違う


最初は資本家の資本主義
50年代から経営者のための資本主義
バブル後は投資家のための資本主義


その時代によって決算書のどこを見たいかが違うため、重視するところが違う
経営者にとっては「利益」が分かりやすいから優先される。原価などを主張する。
投資家は、今売ったらいくらになるかと知りたいから「時価会計」や「キャッシュフロー」を知りたい。
この時代に経営者が利益や原価を主張しても、投資家に理解が得られないのはそのため。
最近はキャッシュの概念が大きくなっている。
山田:学会とかだと「利益」って概念が無くなる方向らしいですね。
会計と金融の融合が始まっている。


○勝間さんの「代理変数」としての決算書


勝間:不正が起きるきっかけというのが山田さんの本にあって、不正のトライアングルというのがあるんですね。「不正の機会」「動機」「倫理の欠如」がそろって不正は起きます。

大体倫理的にも商売が悪いから決算が悪くなるんですよ、怪しい会計をしているところは利己主義、自分だけが良いと思っている会社でその姿勢が決算書に現われてくるんですね。実力以上の見せかけなどをするわけです。

私は「代理変数」と呼んでいるんですが、会社の心の代理として決算書が出てくるんですね。会計はビジネスの言語だと私は常々言っているのですが、会社の考
えの現れが決算書に出てくるんですよ。私決算書は数字だけでなく地の文を読むのも好きなんですね。で、NGワードとかがあって、「気づれ」とか「損した時
に1行しか書かない」とか。上手くいかなかった時ほど、「こうこうこうだからうまくいかなくて、来期は絶対に大丈夫だ」って書いていくべきなんですよね。
逆に上手くいった時は書かなくていいんで。


○勝間さんの「お金」観



私が感じるのは、なんかみんなお金に対してストイックなんですよね。「汗水たらして稼ぐのが正しくて利子なんて不誠実!」みたいな考え。お金をどうしてそ
んなに嫌うんだろうか?って思うんですよ。お金は感謝ですよ、尊い行為ですよ。相手が喜んで払った部分に関しては喜んで受け取るべきだと思うんですよ。そ
れでまた山田さんの著作を買うなどまた自分が感謝で使えば良いんであって。


■金融・会計に限らずの智慧


○便利な数字「72」


勝間:今日は皆さんに「72」という数字を覚えていただきたいと思います。
たとえば資金を倍にする時に金利が5%なら、72を5で割って15年で倍になります。今の日本の金利だとどうでしょう(笑)


○日本株の下落は当たり前?


勝間:2005年から2007年にかけて日本の株価って2.5倍になっているんですよ。ですから、年初来30%下落なんて当たり前の話で驚くことではないと思います。
株だけの資産運用はとても危険ですよ。私は株はポートフォリオの最高でも1/4だと思っています。株だけでギャーギャー騒ぐのは分からないんですよねえ。債券はほぼ横ばいだし、商品なんかは上がっているんですがそっちは話題になりにくいですよね。資産運用というと株っていうイメージがあるんですかね。
新興株とか、倍になる可能性がある株っていうのは1/3にもなりますよ。損したくないんだったらPER12とかの渋い2部上場株だけ見ると良いですね。配当は貰えます。上がりも下がりもしないけど。
パチンコは-10%の期待率って言われていて、胴元が10%の利益を得ているんです。みんな儲かった日のことは覚えているんですけど、損した日のことは忘れちゃうんですよ。株はそういう楽しみを求めている人が多くてギャンブル的な人気なんですかね。
あと、株はやってみないとわからないです。証券会社に口座を開いて痛い目を見て覚えるしかないですね。


○勝間さんが重視する「セレンディピティ」


セレンディピティ:偶然の中から必然を発見する能力
勝間:今日のイベント1700人の中でなぜ自分は300人に当たったのか、この偶然で当たったことが何の役にたつのだろうか、と偶然に遭遇したことから取捨選択をして偶然の中から必然を見つけ出す。その能力がセレンディピティでそれを高めることが大事です。
逆に自分の知っていることだけ追い求めていくと偶然の要素が入り込まないから狭まってしまいますね。
山田:あとから振り返ると今日の出来事がつながるようになれると良いわけですね。では、ここで前半を終了して、皆さん休憩時間の間にセレンディピティを活かして僕たちに質問をください。それに対して後半は回答していきたいと思います。


第二部:会場からの質疑応答


会場からの多くの質問の集計に手間取り、登壇が少し遅れる


○一番多かった質問「公認会計士にはいつから、何故、どうしてなりたいと思いましたか?」


山田:僕は大学では歴史とか古文書を学んでいて、公認会計士の中で一番古文書が読める人間だと思っているんだけど(会場笑)。大学を出て就職した予備校を2ヶ月で喧嘩して辞めて、今で言う第二新卒の状態で就職氷河期で就職もなく資格をとるしかない、という状況でしたね。
歴史の中にも経済の要素ってあって、織田信長が活躍できたのも、尾張は養蚕業が盛んでお金があって、女性が労働の主体で男は戦闘に専念できたっていうのがあると思うんですね。だからビジネスの現場をみたいかなー、って思ったりして。
勝間:会計士になって変わったことってありますか?
山田:神の視点を手に入れました。
勝間:神?(驚)カミって、‥、あのゴッドですか?
山田;そうゴッドの神です。普通の人って一人称と二人称しか使わないと思うんですが、三人称ってあるじゃないですか。で、三人称にも読者寄りとか私寄りっていうのがあって、神の3人称っていうのは「純粋な客観性」なんですね。その視点を監査の仕事などで得られたと思っています。


勝間:私は当時史上最年少の19歳で取得しましたけど、女だったから、っていう理由が大きいですね。姉二人が1回仕事を辞めて職につけなくなるのを横目で見ていて、大変だなあと思ったんです。すっごい悩んでいたから。手に職をつけないと大変だって思ったのがきっかけですね。会計士を選んだのは、リスクリターンが一番良かったからです。リターンはそこそこなんだけど、他の士資格よりは勉強時間が少なくて済んだし、監査だけでなくても色々な仕事がやれるのも潰しがきくなあ、と思いました。
あと、当時私は中学生でしたけど会計士の方にインタビューしたんですね。そうしたら「良いよ」ということですので、従事している人が良いというのだから、きっと良いのだと思って目指しました。姉のクラブの後輩に現役で受かった人がいて、その人に聞いたところ「半年間簿記だけやれ、そこをマスターしないで進んでもかえって混乱するから」といわれたのでその通りにやりました。働くかは分からないけど保険のためにと思って取得しました。
山田:そのころから、お姉さんの後輩に聞くとかする、偶然を必然に変える努力をなさっていたんですね。そして中学生の頃からリスクリターンという会計的な思考をされていたんですね(笑)
勝間:セーフティネットですね。リスクが少なくなりました。路頭に迷うことはないな、と。会計士とか監査法人とかで最悪働いていけると思いました。


○静岡で来月から東京での入社を控えるものです。先日ヤフオクで引越しのために貯めた14万円を騙されてしまいました。日頃から勝間先生の本を読んで知識は持っていたと思ったのですが‥。
山田:この方引越しのために貯めたお金一千万円を騙されてしまったということで。
勝間:一千万円ですか?
山田:あ、14万円だ!(会場&二人笑)


勝間:なぜヤフオクは得なのか、というとリスクが高いからですね。リスクが高いから、そのリスクをヘッジするリテラシーがないとリターンよりリスクが大きくなっちゃうんですよ。ヤフオクを使えるのは金持ちで、彼らほどリテラシーがあってリスクが低くなって、貧乏人ほどリスクをとってしまう。ただ飯はない、っていうことですね。これを機に良い授業料だと思ってください。
私、本の中には書いていないけど、数多くの失敗をしているんですよ。
山田:勝間さん失敗しているんですか?
勝間:そうですよー、だから本を書いているわけで。車とか保険とか損していて体験して学んだんですよ。


○お金と自分との距離のとり方を教えてください


山田:お金って僕、神様みたいな物だと思うんですよ。
勝間:(笑)神様ですか。
山田:そう神様です。形があってないような物だと思うんですよね。そのあやふやなお金を無理矢理形にしているのが会計で。神様は他人ですよね。だから「お金、お金」ってなる人は他力に頼っているわけですよ。人間としての自分があって初めて神頼みするのであって、最初から「金、金」っていくのは他人頼みですよね。金と自分を分離できるかってことですね、一体化させないで。


勝間:私今のお話聞いて思ったんだけど、山田さんの背景は歴史と文学なんですね。それを思いました。
私はシンプルに考えていて、お金は幸せになるためにあると思っています。調査の結果で年収1500万まではお金が増えた方が確実に幸せだっているのがあるんですよ。そこを越えると苦労も出てくるし、そんなに大きく変化はないんですけど、1500万までは増えた方が幸せですね。1500万円と4000万円の間の変化より、1500万円と300万円の変化は大きい。
お金って人生の機会を広げる、範囲が広がるもので、お金を持つことで人生の行動半径、自由度が高まることが大事なんだと思います。
私はなるべく働かないで多くのお金を稼ぎたいと思っています。自由を得たいんですね。自由を得るために効率を上げようとしているわけで。自由度を高めたいんです。だから、残業して結果的にはお金が多くなっても、自由度が失われたら本末転倒なわけです。
子どもにはお金の稼ぎ方だけ教えて、お金は残さないようにしようと思います。お金を残して稼ぐ方法を知らないまま、お金を使いきったら確実に使い癖だけが残って苦労しますよ。借金体質になります。ですから私は葬式代だけ残して、あとは印税などは寄付しようと思います。


○やる気のない時の対処法を教えてください


勝間:やる気は体力って私は思っています。よく寝て、食べて、動けば良いんですね。
普段はやる気がなくなる前に前倒して、やる気がなくなる状態にならないように前倒しで解決しています。そもそもやる気がなくならないように手を打つんですね。年に2.3回はやる気がなくなってしまうのですが、その時はその原因を追求して、芽を摘むようにします。


山田:僕はモチベーションの上がらないことはしない、っていうのが原則ですね。あと、僕トイレで仕事したりするんですよ。仕事以外何もしないような状況を作って仕事するんですね。仕事って環境だと思っているんですよ。
勝間:私も飛行機とかで執筆しますね。去年の原稿の半分は飛行機で書いたので。
山田:眠るのさえ気をつければ飛行機とか新幹線は集中できますよねー。


○お二人が知識を披露することで、一般の人の知識が上がってご自身の立場を脅かすとはお考えになりませんか?


山田:僕は情報格差をなくしたいっていう思いがあって、分かりやすい本を目指しています。勝ち組だけが分かる勝ち組のための小難しい本じゃなくて、それ以外の人の知識も上げていくということをやりたいと思うんですね。個人的には格差のない国に住みたいと思っている人間なので。皆さんの知識が増えることは歓迎です。


勝間:私は紙に出せるノウハウは2割だと思っています。出し惜しみしているわけではなくて私が持っているノウハウを言語やフレームワークに落とせるのが2割ということですね。これは単に言語の限界ということです。こういうセミナーだと6割ぐらいは出せていると思いますよ。
それと、本で2割、セミナーで6割出しても、情報って出すとまた返ってくるんですよ。よりノウハウが返ってくる。
たとえばこの間、棋士の人と一時間お話しすることができました。私の本を読んでくださったということで。会計士は全国に2万人いるのですが、棋士の方は150人です。その棋士の方からお話を聞けるというのは書籍には出てこない情報ですし、貴重ですよ。わたしの言うギブの5乗で好循環を作るということです。情報は出せば出すほど手に入りますね。その循環を作ることをお勧めします。
ちなみに著者は出し惜しみすると衰退が始まりますね。前作の焼き直しをしたり。
棋士の方もおっしゃってましたが、優れた人はイノベーションを欠かしません。他の人の話を聞いて消化して実践で試しています。私も情報を消化して、著書で読者の方と勝負をしているわけです。企業もそうで現状維持のところは伸びません。
私は新卒でアーサー・アンダーセンというところに入ったんですが社是が「continue improvement」=「継続的改善」って言葉だったんですね。そういったところで最初に仕事ができたのは大きいと思います。
皆さん、最初の就職先は大事ですよ。絶対にそこに染まりますから。


○この不透明な経済状況の中でお二人の本では非常に明るいことが語られているのですが、どうお考えですが?


勝間:私は日本の戦後の発展はまぐれだと思っているんですね。世界が工業化していく中でその気質がたまたま日本人に合っていた、地政学的に貿易に有利だった、とか「たまたま」が5つぐらい重なり合って上手くいったのだと思っています。実際の経営力とかは今のOECDの16位とかが妥当だと思います。
そして今日本は不運な国になってきているんだと思いますね。資源がない。そして少子高齢化など。一人ひとりが生産性の改善をしないと、ワークライフバランスも保てない状況です。
自己啓発とか流行っていますけど、2種類あると思っています。昔流行ったのは「あなたはそのままでいいんだよ」っていうもの。今は「やる気を起こして変化せよ」っていうのが流行っていますね。サイクルがあると思うんですけど。
人間追いつめられたらやり出すんですけど、やり方を間違えると大変なので、本でやり方を示していきたいと思っています。


山田:僕はその不運なメリットもあると思っています。資源がない国は攻められないんですよ。狂気で突っ込んでくるっていうこと以外では。日本を占領したら借金も抱えないといけないですから、まともな神経では攻めて来ない(笑)
いま、ドバイとかリッチになっていますけど、実はあそこは石油出ないんですよ。石油出ないことに昔に気づいたから、エメレーツ航空とか運輸業を整備したりいち早くインフラ整備乗り出したんですね。負の状況であってもなんとかできるっていうのがあるのかな、と。


勝間:資源がないことをギフトとして見なすべきですね。
もう1つ日本のギフトは気候です。これだけ気候が安定しているから、これだけの狭い国土にこれだけの人が住むことができる。人口多い国は発展の可能性がありますからね。チャンスはありますよ。


○私は25歳なのですが、お二人が25歳の時はどんなことを考えていましたか?


山田:公認会計士2年目で小説を書き始めた時期ですね。会計士って受験勉強中には何をやるかまったくわからないんですよ。で、仕事してみて、「こういう仕事なんだ」ってわかる。会計士の実際の仕事を受験生に見せたいっていうことで小説を書き始めました。そういうふうに、決められた道で浮気をし始めたのが25歳ですね。
勝間:でも、あれだいぶ美化して書いているでしょ。
山田:美化してますよー。そうじゃないと、ねー‥。


勝間:私は銀行に転職したのが25歳の時ですね。入社した会社で定時に帰れなくなってきてしまって。定時で帰れた新人の頃ってようするに仕事ができなかったんですね。残業が多くなってきて、うまく家庭が回らなくなったので定時に帰れる仕事をしたいと思いました。で、銀行に転職したんですね。トレーダーなら定時に帰れるだろうと。
山田;トレーダー?あー、場が閉まっちゃえば帰れますもんね!
勝間:そうそう。その時に銀行に入ったのが今思うと良かったですねー。30歳過ぎると金融業界って入りにくいんですよ。そこから第二新卒でワークライフバランスを重視する生活が始まりましたし。
この年齢ならまだ失敗もチャレンジもできるので、リスクをとってみて30代以降に生きていく道を探すべきだと思います。


○ここで終了時間、だけどお二人の好意で


山田:ここで終了時間ですけど、なにやら10分間延長ができるらしく‥。
勝間:そうですね、10分可能なようです。
山田;では残りの時間でできるだけ、質問に答えていきたいと思います。


○お二人が首相になったとしたら、なにをしていきたいですか


勝間:正規雇用と非正規雇用の差をなくしたいですね。同一職種同一賃金にしたいです。
山田:ほんと、同じ仕事をしていますもんね。
勝間:非正規雇用で働いている若い人はもっと声を大にして言った方が良いですよ。どんだけ酷いことをしているのか企業も政府も理解するべきです。ほんと費用上のメリットより弊害の方が大きいですよ。


山田:僕は少なくとも増税はしないかな、と思います。次に本を書くなら税金の本を描こうと思っています。税金リテラシーの本ですね。みんなが普段接しているのに、分からないのが税金だと思うんですよ。
勝間:ほんと、みなさん税金は怒りを持ってくださいね。源泉徴収票は必ず見てください。給与明細も。サラリーマンは全員確定申告するべきだと思います、私。
山田:ほんと源泉徴収票は取る側に都合良くできてますよね。


○最後の質問、お二人の今後の夢や目標は?


山田:時代に合ったことをやっていくというのが、僕のポリシーです。格差のある国に住みたくないと思っていますね。賃金だけではなくて、情報自体、情報を有する格差とか情報の処理の格差とかそういうのがない国に住みたいなと思っています。
具体的な行動としては税金リテラシーの本を書くのと、あとテレビの仕事をしようと思っています。出るわけではなくて番組制作のブレーンとして参加する形ですね。構成作家みたいなの。


勝間:今年中に寄付に関するスキームを作りたいなと思っています。寄付の問題点って、寄付を集めるのにお金がかかることなんですよ。それか解決する寄付スキームを始めようと思っています。
印税の一部が出版社から自動的に団体に送金されるような仕組みの本を今年中に出したいと思います。なんらかのマークを付けて、そういう寄付ができる本だと分かるようにする。で、読者は迷ったらその本を買うと(笑)そうすれば著者にもマーケティング上有利ですし。そういう団体に認めてもらうだけの相応しい内容にもしなければいけないですけれども。
皆さんに考えてもらいたいのは、本を買う人書く人っていうのは、世界では絶対的に恵まれた立場の人なんですよ。
私は作家というよりは「しかけ屋」なんですね。みんなの行動が楽しい方向に動いて変わっていくと良いなと思っています。
あと47都道府県を回ってみたいなと思います。娘が小さいので大学生になるまでは日本にいるので、その間に各都道府県をじっくりと1週間ぐらい滞在して、自分で見て聞いて味わいたいと思います。webにない情報、統計やメディアにない情報を金融の目線で見ていきたいですね。市役所などを訪問して。子どもが大きくなったらそれを海外にまで拡大したいと思います。大変ですけどね(笑)


○最後に


勝間:今日の感想をぜひブログに書いてください。後々まで皆さんのためになる情報として今日のトークショーを活用してくださいねー。まとめの記事が日経新聞に載りますのでそちらもご覧ください。


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