2011年11月5日土曜日

【若者よ】僕たちのバイシクル・ロード ~7大陸900日~【世界を見よう】

今日は東京都写真美術館で『僕たちのバイシクル・ロード ~7大陸900日~』を見てきました。

東京都写真美術館のサイトでの作品紹介
自由を連れて、旅に出よう。
従 兄弟のジェイミー・マッケンジーとベン・ウィルソン。イギリスの大学を卒業したばかりの2人はそのときまだ何者でもなかった。彼らは社会に出る前に、今し かできない、そして誰もやったことのない冒険へのチャレンジを思い立った。それは空路を使わない、海路と自転車での"7大陸走破"。一番の目的は世界を心 ゆくまで見ること。それには自転車が最適だった。彼らはプロの冒険家ではなく、自転車の専門家でもなかった。長距離旅行をした経験もほとんどないまま、ガ イドブックはおろか、さしたる大金も持たずに飛び出した彼らの旅は明らかに準備不足だった。しかし、彼らは湧き上がる冒険心をエネルギーに、持ち前のバイ タリティで様々な困難を乗り越え、一歩ずつ夢を実現させていく。

東京都写真美術館に行くと、劇場の入り口前で自転車のディスプレイがお迎え。

こういうの乗って旅したーい!

自転車かっこいいですねー。
この展示の他にも、主人公の二人が描いたイラストなども紹介されていました。

エンドクレジットでも紹介されていました。
日記、絵、詩の作成を日課としていたとのこと。
さて、内容なのですが、イギリスの若者が空路を使わずに自転車で7大陸を927日間旅したドキュメンタリーとなっています。
この二人は従兄弟同士で、ベンの弟も少し参加したりしますが、ほぼ二人での放浪となったのでした。
旅の目的は

世界を心ゆくまで見ること

素晴らしい目的ですよねー。

はっきり言って僕がこの映画をみたいと思った理由は、冒険心があるからですねー。
ロマンですよロマン。

僕は損得考えないでやりたいことやる人を応援したいし、見たいですからねそういう無謀なチャレンジを。
たぶん自転車というのは彼らにとって手段に過ぎないのだと思います。
自転車の専門用語は何も分からん、と映画の中でも言っていたし。

この2人が旅に出たのは2005年の4月なんですけど、これは僕が大学を卒業して社会人になった年でもありますね。
そこも妙に僕の心を打つところで、責任だからとか人並みだからとか頭では理解できますけど、大人社会に迎合するなんて嫌でしたよー。

大学卒業から換算するとこの2人は大体30前後で僕と同世代なんだと思う。
同じ年齢と思われる二人がこのチャレンジをしているとなると、その過程と成果は見届けたいと思ったのです。


同じく自転車関連なんですけど僕が追いかけているブログがあって、こちらも同世代の染谷さんが自転車で世界一周に挑んでいるブログです。
染谷さんのブログの中に、世界一周の旅行の動機っていうページがありまして、それを読むと僕はぐっと来る。

旅行の動機
なぜ自転車で世界を走りたいのか。そこにはロマンがあるからだ。 今まで自分が前に進んだとき、いつもはっきりとした意思と納得があったように思う。 いいことばかりでもなかったし、迷って後悔も抱えて来たけど、曖昧な意思じゃ曖昧な納得しか得られないのは確かな気がする。 もう26歳だけど、何かをやり残したまま年をとるにはまだ早い。まだロマンを追う時間はある。 進める時に道があるなら思い切って進んでみようと思う。 
(中略)
人はロマンの奴隷だ。旅行者として、自転車乗りとして最高の時代が始まるならそんな人生もいいんではないか。 過去に走った何人もの自転車乗りと同じように今の自分なら走れる。やろう。人生はまだこんなに熱くなれる。
この「旅行の動機」って文章が僕の胸を打ちまくってくれますね。

この映画の主人公達も大学を卒業してから、「普通の社会人にはなりたくない」とこの空路を使わない旅行を志しています。
染谷さんは社会人生活を数年体験するうちに旅と自転車に傾倒するようになり、いつの間にかそのロマンに賭けないわけにはいかなくなってくる。

この映画を見ても分かるけど、現代社会で生きる上ではハイリスクローリターンが確定の行動なんですけど、損得じゃないんですよね、本来の人生って。
枠からはみ出る人ばかりでは安定した社会は実現できないんだけど、自分が今担っている役割以外に自分がもっと成果を出せる役割ってあると思うんで、そういうのを探さないで現状に満足するって言うのはどうなのかな、って思います。
「自分探し」って一蹴される考えだと思いますけど、我慢って嫌だよなあ。
どんどん型にはまって個性を失っていくのって個人の生き方として楽しくないと思うんですよね。
社会の維持のために自分を殺して生きている人は立派ですけど、若者から見ると目指したくはないかな、みたいな。

映画の中で金欠になった2人がメルボルンの街頭で自分たちの旅行記を1万部売って旅費を稼ぐシーンがあります。
この2人の文才や絵の才能があってのことでしょうけど、こういう旅行記を50ドルで買う人が海外のとある街にいて、通算して1万部も売れたっていうことが驚きでした。
普通の生活をしている自分の周りには、この映画に共鳴しそうな人って思い浮かばない。
海外ならばこういうの共鳴する人は日本よりは多いとは思うけど、1万人もいるっていうのが驚きました。
みんな根底では、ロマンを感じる心を持っているんじゃないかなあ。

僕も同世代ですけど、大人しく安定生活を選んでしまった人間で、これ以上リーマンやってていいのかなー、と感じることが最近多々あります。
染谷さんみたいな状況になったように感じることもありますね。
今年の夏に九州へ1週間の個人旅行に行ったりして、フェリーでの移動とかも体験しました。
今日の映画の中では40日間船に乗っていたり、100時間以上電車に揺られたりということがざらにありました。
そういう中で若干狂いも入っていましたが、それでも疲れとか虚しさは無いように見えました。
自分が表面的な模倣だけでガス抜きしている気がして情けなく思ったり。
かといって、同じことをして僕が満足感を感じるわけではないし、単なる憧れだけで突っ走るのはただの逃げですよね。

けど、それでもある程度の犠牲をしてでも、もっと世界を見るべきだっていうことはこの映画を見て思いました。
世界を心ゆくまで見る、っていうほどの時間をとっては海外に行けないけど、染谷さんみたいに多くの旅先に行ってみる体験は自分が世界に生まれてきた証としてやってみたい。
【若者よ、世界を見よう】と思わせてくれる映画でした。

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